超やさしいデジカメ講座


第1回 小物を写すには蛍光灯で


 身の回りの小物を撮りたいと思ったことはありませんか。インターネットのオークションに出品するのでなくても、撮りたいときはあるはずです。その場合、フィルムカメラよりもデジタルカメラのほうが、写すのが簡単なのと、結果がすぐわかり、失敗すれば撮り直しもできますね。
 その場合、どういう光で撮ったらいいでしょうか。昔は白熱電球を使って撮っていました。フィルムでそのまま撮ると、赤黄色に写ってしまいます(写真Aはそういうふうに写るという例)。そのためにフィルムカメラではフィルターというものをレンズの前に付けて写していました。
 ところがいまはどの家庭でも蛍光灯が当たり前ですから、そのまま蛍光灯で撮る人も多いと思います。それが正解なのです。蛍光灯は白熱電球のように光の調子が硬くなく、柔らかい照明です。白熱電球で撮っていた時代には光を柔らかくするために、トレーシングペーパーなどで、光を拡散することも必要でした。ところが、蛍光灯ではそういう必要もありません。
 ただ、蛍光灯で写す場合、デジタルカメラでそのまま撮ると、いい色が出ないことがあります。この色をきちんと出す仕組みを「オートホワイトバランス」といいますが、とりあえずこの説明は省略します。これはAWBと略されることもあり、自動的に色を直してくれますが、万能ではありません。蛍光灯の色は千差万別だからです。ちょっとちがう色になることもあります(写真Bがその例です)。
 そこで、カメラのホワイトバランス設定というメニューを使って、蛍光灯の表示にしてみましょう。それで写してみると、AWBにまかせっきりで写したよりきれいに写ります(写真Cがその例)。カメラによってはこのほか、あらかじめ白い紙を写してから、手動でホワイトバランスを設定するものもあります。これだと、さらに正確な色で写せます。
 あとは光の具合をチェックして、いちばんきれいに写る場所に置いて写しましょう。写り具合の確認はデジタルカメラのうしろの液晶モニターで見ます。できれば拡大機能を使って、ピントがちゃんとあっているかどうかも確認しましょう。場所をちょっと変えただけでも金属物などはまったく光りかたが変わります(写真Dがその例です)。


A   

C   


第2回 花を写すには直射光を避けて

 身近にあるものと言えば、花もそうですが、野山や公園に咲いている花を写す人は多いですね。比較的近いところに有名な植物公園があるので、花の季節にはよく通います。すると、花を撮っているカメラマンの多さは驚くほどですね。そして、たいていの人は直射日光の下で写しています。曇ってくると、撮影をやめて、じっと太陽が出るのを待っているのがふつう。でも、じつは花をきれいに撮るには日光やフラッシュなどの直接光は不適当なのです。直射光で写すと、たしかにくっきりとは写ります。でも、影が強く出て、明るい部分と影の部分の差が大きく、あまりきれいとは言えません(写真Aがその例で、わざと直射日光下で写したもの)。とくに、デジカメの場合には、明暗の差を写真として再現する幅(ダイナミックレンジと言います)が狭いため、写真Aのように調子が硬くなってしまうのです。
 むしろ曇りとか、日陰のほうが花はきれいに写るのです。ただ、いままでのフィルムカメラだと、曇りや日陰では色が青っぽくなってしまうので、フィルターが必要でした。しかし、デジカメは第1回で言ったように、オートホワイトバランスによって、そういう青みを自動的に取ってくれます。もし、それでもうまくいかない場合には、曇りマークや日陰マークに合わせて撮れば、ぴったりうまく行くでしょう。曇りや日陰は光が柔らかいので、花がきれいに写ります。雨あがりで、水滴がついている花などは絶好です(写真Bはその例)。花が鮮やかに写っていて、しかも強い影などは出ていませんね。
 あと、デジカメはどんなタイプでも接写ができるのが大きな特徴です。液晶モニターを見ながら写すと、花を部分的に写して、全体と写すのとはまたちがう写真を撮ることができます。しかし、こういう「超接写」ではピントが外れてしまうことが多いのです。モニター上ではちゃんと写っているように見えても、ピントが外れてしまっていることがよくあります(写真Cはそんな失敗例です)。こういう超接写では、モニターに写った画像を拡大再生して、ピントを確認しましょう。そうすれば、かなりの超接写でも、ピントがピッタリの写真を撮ることができます(写真Dは超接写の例です)。
 まとめると、花の写真では、直射光を避けること、そしてピントを確認しながら写すことです。そうすれば、あなたもプロカメラマンに負けないような写真が撮れるかも知れません。

B

C D


第3回 夜景を写すにはふつうの感度

 夜景や夕景をきれいに写すには、いくつかのポイントがあります。撮影感度、シャッター速度、絞り値、などです。これらは写真をやってきたものにとっては定石なのですが、デジカメで初めて夜景や夕景を写す人には未知の言葉かも知れません。
 まず、撮影感度ですが、これは光に感じる度合いを数字で示したもの。ふつうISO(アイエスオー)という単位で表し、数字が大きいほど感度が高くなります。フィルムではそれぞれに固有のISO感度が決まっていますが、デジカメでは自由に変えられるのが特徴です。それで、暗くなったら、感度を上げて写すのが当然と思ってしまいます。また、コンパクトデジカメの中には、暗くなると感度が自動的に高くなるものもあります。しかし、感度が高くなると、フィルムでもそうですが、デジカメではなおさらザラザラな描写になってしまいます。このため、夜景などを写す場合には感度をふつう(ISO100とか、せいぜい200)にして、ザラザラ感を避けるのが基本です。
 しかし、感度を低くして写すと、シャッター速度が遅くなってしまいます。また、コンパクトデジカメでは絞りという光の入り具合を調節する機能が働き、絞りをいっぱいに開いて、光をできるだけ取り込もうとします。このように、カメラまかせだと、シャッター速度は遅くなるし、絞りは開くのがふつうです。しかし、夜景をきれいに写すためには、絞りはある程度、直径を小さくして、光の取り込みを制限したほうがシャープに写るのです。ただ、絞りの直径を小さくすると、さらにシャッター速度は遅くなります。こうして、感度と絞りに影響されて、シャッター速度は1秒より遅くなることがふつうです。
 シャッター速度が遅くなると、カメラを手で持って撮影する、いわゆる「手持ち撮影」は無理です。ブレてしまい、ピントの悪い写真になってしまうからです。そこで、三脚の登場ということになります。夜景撮影には三脚が必需品で、それはブレを防ぐだけでなく、つぎの操作にも関係してきます。
 シャッター速度が1秒より遅い、つまり数秒とか、数10秒になると、デジカメでは「ノイズ」、つまり雑音が出て、画像を劣化させます。このノイズを防ぐために、デジカメでは「ノイズリダクション」などの名称で、ノイズを防ぐ機能が入っています。しかし、これをセットするには、三脚にカメラをセットしておいて、メニューでじっくり設定する必要があります。この点からも三脚は必需貧なのです。また、撮影時の光の具合によっては、露出補正、つまり正しい明るさに写すために調節が必要になります。三脚にカメラをセットしておけば、決めた構図を変えずに、露出の補正ができるわけです。
 露出補正は初めは難しいかも知れません。このために、露出補正機構が付いているデジカメでは、プラスにしたり、マイナスにしたりして、撮っておきましょう。そうすれば、そのうちのどれかが正しい明るさに写っているはずです。こういう経験を重ねて行くと、撮影条件によって露出補正の方向(プラスかマイナスか)、それに補正の度合いがわかってくるはずです。

A  B

C  D

いずれも低感度で、デジカメを三脚にセットして撮影したもの